過去96時間のハイエンドオーディオ界隈の注目ニュースをまとめました。今週は、LinnがKlimax LP12向けの重要なアップグレードを発表したほか、Vivid AudioやKlipschから注目の新スピーカーが登場しました。Mola Mola、Moon Audioといった実力派ブランドのプリメインアンプや、日本のPhasemation、音門(OTOMON)からユニークな新製品が発表されるなど、充実した週となりました。
1. 新製品・アップデート情報
-
Klimax Radikal & Keel SE — Linn(ターンテーブル・アップグレード)
- 主仕様:
- Klimax Radikal: 新開発の「Utopik」電源を搭載し、モーターとフォノステージそれぞれに独立した絶縁電圧レールを供給。タイミングの安定性とノイズ性能を向上。
- Keel SE: 有限要素解析(FEA)を用いて設計され、剛性が300%向上。質量バランスと音響的絶縁性を改善。
- 価格:
- Klimax Radikal: £11,500 / $16,820
- Keel SE: £4,250 / $6,215
- 発売時期: 2025年10月末
- 注目ポイント: 1973年の登場以来、進化を続ける銘機LP12の最高峰モデル「Klimax LP12」向けのアップグレード。既存オーナーは、電源とサブシャーシの刷新により、最新のパフォーマンスを手に入れることが可能。
- 主仕様:
-
Giya Cuシリーズ — Vivid Audio(スピーカー)
- 主仕様:
- G4 Cu, G3 Cu, G2 Cu, G1S Cuの4モデル展開。
- 4ウェイ5ドライバー構成。樹脂含浸ガラスとカーボンファイバーによるサンドイッチ複合材筐体。
- フラッグシップモデル「Moya M1」で開発された銅キャップを中高域・中低域ドライバーに採用し、歪みを大幅に低減。
- 価格:
- G1 Spirit Cu: €95,000
- G2 Cu: €55,000
- G3 Cu: €43,000
- G4 Cu: €34,000
- 発売時期: 発表済み(東京インターナショナルオーディオショウ2025などで披露)
- 注目ポイント: 独特な形状で知られるGiyaシリーズが第三世代へ進化。Moya M1の技術を応用した新開発ドライバーにより、さらなる透明性と低歪みを実現。
- 主仕様:
-
Ossetra — Mola Mola(モノラルパワーアンプ)
- 主仕様:
- コンパクトなハーフサイズの筐体に350W(8Ω)の出力を実現するClass-Dモノラルパワーアンプ。
- 独自の「Trajectum」技術とフルブリッジ出力トポロジーを採用。
- 新設計の電源部とディスクリートClass-Aゲインステージにより、低ノイズ・低歪みを追求。
- 価格: €8,990
- 発売時期: 2025年12月上旬出荷予定
- 注目ポイント: MakuaプリアンプやKulaプリメインアンプと共通の筐体デザインを採用し、省スペースながらハイパワーを実現。同社の技術の粋を集めた注目モデル。
- 主仕様:
-
371 — Moon Audio(インテグレーテッドアンプ)
- 主仕様:
- 100W/ch(8Ω)のプリメインアンプに、MM/MCフォノステージ、PCM/DSD対応DAC、Roon互換ストリーマーを統合。
- 上位シリーズ「North Collection」から「MDCA(Moon Distortion-Cancelling Amplifier)」技術を継承。
- 価格: $6,500
- 発売時期: 2025年10月
- 注目ポイント: ハイエンドの入門者から、システムをシンプルにしたい既存のオーディオファイルまでをターゲットにした新「Compass Collection」の第一弾。多彩な機能をワンボックスに収めながら、上位機種の技術と思想を受け継いだ戦略的モデル。
- 主仕様:
-
Jubilee, Klipschorn AK7, La Scala AL6 — Klipsch(スピーカー)
- 主仕様:
- Jubilee: ブランド創業者ポール・W・クリプシュの最後のプロジェクト。2ウェイ・フルレンジ・ホーン構成で、アクティブクロスオーバーが付属。
- Klipschorn AK7: 75年以上の歴史を持つブランドの象徴的モデルの最新世代。
- La Scala AL6: Klipschornをよりコンパクトにした3ウェイ・フル・ホーンロードスピーカー。
- 価格:
- Jubilee: 9,900,000円(ペア・税込)
- Klipschorn AK7: 2,420,000円(1台・税込)
- La Scala AL6: 1,870,000円(1台・税込)
- 発売時期: 2025年11月4日受注開始
- 注目ポイント: Klipschの伝統と革新を象徴するHeritageシリーズのラインナップを大幅に拡充。特にフラッグシップとなるJubileeは、ブランドの歴史的遺産とも言える存在。
- 主仕様:
-
EA-1500 — Phasemation(フォノアンプ)
- 主仕様:
- 電源部とアンプ部を分離した2筐体構成の管球式フォノアンプ。
- MM/MCに加え、光カートリッジにもブランドとして初対応。
- 無帰還(NFB)回路、LCR型イコライザー、真空管整流(5U4GB)など、同社の思想を色濃く反映。
- 価格: 2,400,000円(税別)
- 発売時期: 2025年12月
- 注目ポイント: トップモデル「EA-2000」の技術を継承しつつ、光カートリッジ対応という新たな挑戦。アナログ再生の可能性をさらに押し広げる意欲作。
- 主仕様:
-
King & Queen The Royal — 音門(OTOMON)(モノラルパワーアンプ)
- 主仕様:
- 大型送信管211をパラレル・プッシュプルで採用し、A級160W(8Ω)を実現。
- ドライブ段には300Bを2本使用。
- 独自開発のドライブ回路「O.U.D.D.C.」を搭載。
- 価格: 4,950,000円(ペア・税込)
- 発売時期: 受注生産
- 注目ポイント: 日本のガレージメーカー「音門」によるフラッグシップモデル。211と300Bという人気の真空管を贅沢に組み合わせ、大出力と繊細さを両立させるという野心的な設計。
- 主仕様:
2. 参考リンク / 出典
- The Absolute Sound: https://www.theabsolutesound.com/news/
- StereoNET: https://stereonet.com/news
- PHILE WEB: https://www.phileweb.com/news/audio/
- Stereo Sound ONLINE: https://online.stereosound.co.jp/_tags/オーディオ