今週のハイエンドオーディオ界は、デジタルソースからアナログアンプ、ヘッドホンオーディオまで、幅広い分野で注目すべき新製品が発表されました。LUMINは長年の研究開発の成果として完全ディスクリートDAC搭載のフラッグシップ「X2」を発表。CANOR AUDIOは真空管とソリッドステートの融合を図る意欲的なオールインワンアンプ「VIRTUS A3」を日本市場に投入します。また、Violectricのトゥルーバランス設計ヘッドホンアンプや、Perlistenの新シリーズスピーカーなど、各社の技術の粋を集めた製品が揃いました。
1. 新製品リリース(公式発表)
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X2 — LUMIN(ネットワークミュージックプレーヤー)
- 主仕様: 完全ディスクリートDAC設計を初めて採用したフラッグシップネットワークミュージックプレーヤー。デュアルFPGAによるデュアルモノラル構成、DSD512およびPCM 32bit/768kHzネイティブ再生対応。デュアルトロイダルトランスフォーマーによる2段リニア電源、フェムト秒精度クロックシステム搭載。
- 価格: オーストラリア市場での価格は記事本文参照
- 発売時期: 発売開始済み
- 注目ポイント: LUMINが長年の自社研究開発を経て完成させた、チップセットに依存しない完全カスタムディスクリートDAC。U2Xで確立したトランスポート技術を、自社設計のD/Aコンバーターと統合することで、エンジニアリングの精度と音楽的な温かみの両立を目指した意欲作。光ファイバーおよび銅線ネットワーク対応、SFPソケット搭載でガルバニック絶縁を実現。
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VIRTUS A3 — CANOR AUDIO(プリメインアンプ)
- 主仕様: デュアルモノラル構成のバランス型ハイブリッド真空管プリメインアンプ。真空管プリアンプ部(E88CC×2使用)とクラスA/ABハイブリッドパワーアンプ部、MM/MC対応ディスクリート・フォノステージ、デュアルESS9038 DAC(PCM 768kHz/32bit、DSD512、MQA対応)を統合。出力100W(8Ω)×2、150W(4Ω)×2。完全バランス・ディスクリート構成のアナログ信号経路、9種類のデジタルフィルター選択可能。
- 価格: 154万円(税込)
- 発売時期: 2025年11月10日(日本)
- 注目ポイント: スロバキアの真空管オーディオ専業ブランドCANOR AUDIOが、ネットワークトランスポート以外の主要機能を1筐体に凝縮した”真のオールインワン”モデル。独自のプリント基板加工技術「CMT」や真空管選別システムで品質を確保。1.3インチLCDタッチスクリーンと回転ノブによる直感的操作、ヒートパイプ式冷却システム採用。
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HPA-V324 — Violectric(ヘッドホンアンプ)
- 主仕様: 独立4段アンプステージによる”トゥルーバランス再生”を実現するアナログヘッドホンアンプ。左右チャンネル完全独立のデュアルモノラル設計で、各チャンネルにプリアンプステージとパワーアンプステージを独立搭載。XLR4ピンバランス出力とステレオ標準フォーン出力を装備。
- 価格: 約60万円
- 発売時期: 発表済み
- 注目ポイント: ドイツ・Violectricが追求する、妥協のないバランス駆動設計。4段独立アンプステージにより、従来のバランスアンプを超えるチャンネルセパレーションと低ノイズを実現。ハイエンドヘッドホンのポテンシャルを最大限に引き出すことを目指した設計。
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A Series — Perlisten(スピーカー)
- 主仕様: フラッグシップSシリーズ、Rシリーズの技術を継承しつつ、より手の届きやすい価格帯を実現した新シリーズ。38mm Teteron複合ドームツイーター(専用ウェーブガイド付き)と215mmカーボンファイバーウーファーを搭載。ラインナップはフラッグシップタワー型A4t、フロアスタンディングA3t、コンパクトモニターA3m、サラウンド/ハイトスピーカーA2sの4モデル。
- 価格: 未定(従来シリーズより手頃な価格帯)
- 発売時期: 2025年11月5日シンガポールで発表
- 注目ポイント: 米国ハイエンドスピーカーブランドPerlistenが、リファレンスグレードのエンジニアリングをより広い層に届けるために開発。制御された指向性、低歪み、キャビネットサイズを超える低域再生を実現。ステレオとホームシネマ両対応の設計で、実際の部屋での使用を重視した実用的なアプローチが特徴。
4. 参考リンク / 出典
- StereoNET: https://stereonet.com/news
- PHILE WEB: https://www.phileweb.com/news/