LUMINは11月8日、長年の自社研究開発を経て完成させた完全ディスクリートDAC設計を初めて採用したフラッグシップネットワークミュージックプレーヤー「X2」を発表した。同社のストリーミング技術の粋を集めた新製品で、チップセットに依存しないフルカスタム設計のD/Aコンバーターを搭載している。
完全カスタムディスクリートDAC
X2の最大の特徴は、オフザシェルフのDACチップセットを使用せず、コンポーネント1つ1つから構築された完全カスタムディスクリートDACである。LUMINによれば、回路レイアウト、電源管理、システムクロッキングのすべてがこの新しいアーキテクチャを中心に最適化されており、最大限のコヒーレンスと超低ノイズを実現している。
デュアル超高速FPGAによって管理されるデュアルモノラル、完全ディスクリート構成を採用。DAC内のすべての計算とフィルターがこのモデル専用に調整されている。結果として、ネットワークオーディオ再生において卓越した精度とより自然な音楽的タイミング感をもたらすという。
最新処理システムとアップサンプリング機能
X2は、DSD512およびPCM 32bit/768kHzのネイティブ再生に対応する最新の処理システムを搭載。さらに、PCMおよびDSD信号をDSD256にアップサンプリングする機能も備えており、システムチューニングやソニック・プリファレンスに応じた柔軟性を提供する。
電源供給とクロック設計
電源供給とクロック設計も完全に刷新されている。アナログ回路には新開発のデュアルステージ・リニア電源が採用され、デュアルトロイダルトランスフォーマーによってチャンネルセパレーションを確保し、電気的干渉を最小化している。
フェムト秒精度クロックシステムはFPGA経由で分配され、変換経路全体でジッターとタイミングエラーを最小限に抑えている。
充実した接続性
接続性も将来を見据えた仕様となっている。X2は銅線と光ファイバーの両方のネットワーク接続に対応し、ガルバニック絶縁を提供する業界標準SFPソケットを装備。NASドライブなどの追加デバイスを接続するためのネットワークスイッチも内蔵している。
また、DSD512ネイティブ対応のUSBデジタル出力を備えるほか、LUMINのLeedh Processingロスレス・デジタル・ボリュームコントロールにより、解像度を損なうことなくパワーアンプへの直接接続が可能となっている。
価格と発売時期
LUMIN X2の価格は28,000オーストラリアドル。認定LUMINディーラーを通じて現在発売中で、その他の地域での価格は近日中に発表される予定。
高評価を得たX1の系譜を受け継ぎつつ、独自開発の変換技術とトータルシステムシナジーに焦点を当てたX2は、LUMINの進化における新たな段階を示すモデルとなる。エンジニアリングの精度と音楽的な温かみの両立を目指した、モダンハイエンドストリーマーの再定義とも言える製品だ。