フランスのスピーカーメーカーFocalが、新スピーカーライン「Omada」を北米市場に投入した。同社としては異例の静かなローンチとなっており、グローバルでのプレスリリースは出されていない。現時点で他地域での販売予定は明らかにされていない。
ラインナップと価格
Omadaシリーズは4モデル構成:
| モデル | タイプ | 価格(USD) |
|---|---|---|
| N°1 | ブックシェルフ | $1,398/ペア |
| N°3 | フロアスタンディング | $1,899/各 |
| N°4 | フロアスタンディング | $2,299/各 |
| Centre | センタースピーカー | $699/各 |
価格帯としては、同社のThevaシリーズとVestiaシリーズの間に位置し、KEF Q Meta、Bowers & Wilkins 600 S3、Q Acoustics 5000といった競合製品とまともにぶつかる設定となっている。
採用テクノロジー
Slatefibreドライバー
リサイクルカーボンファイバー製の「Slatefibre」ドライバーを採用。数年前に導入されたこの技術は、マスマーケット向けホームスピーカーからカーオーディオ、スタジオ用途まで、様々なFocal製品で実績を重ねてきた。
TAMツイーター
アルミニウム/マグネシウム製の「TAM」ツイーターを搭載。特徴的な「M」字型プロファイルを持つこのツイーターは、Focalが培ってきたドライバー技術の成果を中価格帯に展開したものだ。
この価格帯において、実績のあるテクノロジーを無理なくトリクルダウンさせたアプローチと言える。
デザイン
スタイリングはFocalらしいプレミアム感を維持:
- ハイグロスブラック仕上げ(現時点で唯一のカラー)
- 緩やかなカーブドバッフル
- レザーテクスチャのフロントパネル
部屋を支配するほどの主張はないが、プレミアム感を醸し出すのに十分な仕上げとなっている。
スペック概要
公開されているスペックによると、感度は90dB前後、フロアスタンディングモデルでは実用的な低域再生が可能。インピーダンスは一部のアンプでは負荷になる可能性があるディップが見られるため、駆動力のあるアンプとの組み合わせが推奨される。
静かなローンチの意図
Focalは通常、新しいスピーカーラインのローンチを大々的に発表するブランドだ。それだけにOmadaの登場は異例と言える。Focal Naim Americaのウェブサイトや米国の主要販売店ではすでに掲載されているものの、グローバルのFocalサイトには情報がなく、プレスリリースも出されていない。
考えられる理由として:
- サプライチェーンの事情から、まず北米市場でテストローンチ
- 米国のホリデーシーズンに間に合わせるタイミング調整
- グローバル発表前の市場反応確認
いずれにしても、北米以外の市場でOmadaが展開されるかどうかは現時点では不明だ。
発売情報
- 発売地域: 北米のみ(現時点)
- 発売状況: 発売中
- 他地域での展開: 未定
参考リンク / 出典
- StereoNET: https://stereonet.com/news/focals-new-omada-speaker-line-emerges-without-the-usual-fanfare
- Focal Naim America: https://www.focal.com/