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【新製品】Pro-Ject Audio、真空管出力ステージ搭載CDプレーヤー「CD Box RS2 Tube」を発売

【新製品】Pro-Ject Audio、真空管出力ステージ搭載CDプレーヤー「CD Box RS2 Tube」を発売

2025/12/19 公開
2 min read
Pro-Ject Audio

オーストリア・ウィーンに本社を置くPro-Ject Audio Systemsは、真空管出力ステージを搭載したCDプレーヤー「CD Box RS2 Tube」を発売した。アナログターンテーブルで世界的な名声を築いた同社が、物理メディアへの回帰トレンドに応えるハイエンドCDプレーヤーである。

物理メディア回帰の旗手

ストリーミング全盛の時代にあって、アナログレコードやCDといった物理メディアへの関心が再び高まっている。Pro-Jectはターンテーブル市場でその需要を牽引してきたが、CD Box RS2 TubeはCDというフォーマットにも同様のアプローチで臨む製品だ。

主な仕様

ドライブメカニズム

  • SUOS製DM-3381ドライブ: 高品質なCD読み取りメカニズムを採用
  • BlueTiger製CD-88サーボコントローラー: 正確なディスク読み取りを実現
  • Red Book CD専用: CD-DA再生に特化した設計(SACD非対応)

DAC・アナログ回路

  • バーブラウンPCM1796 DAC: 高評価のマルチビットDACチップを採用
  • E88CC(6922/6DJ8相当)真空管出力: デュアルトライオード構成による真空管出力ステージ
  • XLRバランス出力/RCAアンバランス出力: 両方の接続方式に対応

デザイン・筐体

  • Pro-Ject RS(Reference Series)デザイン: 同社のハイエンドシリーズに相応しい仕上げ
  • コンパクトサイズ: Box Designシリーズの伝統を継承したスリムな筐体

真空管とCDの融合

CD Box RS2 Tubeの最大の特徴は、デジタル再生機器に真空管を組み合わせた点にある。E88CC(6922/6DJ8と同等規格)は、オーディオ用真空管として定評のあるデュアルトライオードで、透明感がありながら豊かな中域を持つサウンドキャラクターで知られる。

Pro-Ject CD Box RS2 Tube 真空管部ディテール

デジタルソースの明瞭さと真空管特有の音楽性を両立させることで、CDメディアの魅力を最大限に引き出す設計思想が窺える。

Pro-Jectの技術力

Pro-Jectはターンテーブルメーカーとしてスタートし、精密なメカニズム設計で高い評価を得てきた。その技術力はCDプレーヤーにも活かされており、高品質なドライブメカニズムの選定と、振動対策を考慮した筐体設計が特徴だ。

また、同社は以前からTube Box DSなど真空管を用いたフォノステージを展開しており、真空管技術についても蓄積がある。CD Box RS2 Tubeは、それらの知見を統合した製品といえる。

価格・販売情報

  • 価格: £1,749(英国)
  • 販売状況: 発売中
  • 国内取り扱い: 未発表(Pro-Ject製品はナスペック株式会社が輸入)

CDフォーマットへの真摯なアプローチ

CD Box RS2 Tubeは、SACDやDVD-Audioなどのハイレゾディスクには非対応だが、それはRed Book CDに最適化した設計の結果である。汎用性よりも音質を優先する姿勢は、Pro-Jectのアナログターンテーブルにも通じる哲学だ。

物理メディアの魅力を再発見したいオーディオファイルにとって、注目の選択肢となりそうである。

参考リンク / 出典