香港を拠点とするDSPオーディオ機器メーカーminiDSPは、16チャンネル出力のAVプロセッサー「Tide16」を発表した。Dolby Atmos、DTS:Xに対応し、Dirac Liveルーム補正ライセンスを標準付属する意欲作である。
製品概要
Tide16は、miniDSPがこれまで培ってきたDSP技術とルーム補正のノウハウを、本格的なホームシアタープロセッサーとして結実させた製品。16系統のXLRバランス出力により、7.2.6や9.2.4などの大規模Atmosシステムにも対応する。
主要スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| チャンネル数 | 16ch出力 |
| プロセッサー | 1.8GHz クアッドコアA53 ARM |
| 処理ビット深度/サンプルレート | 32bit / 48kHz |
| HDMI入力 | 3系統 + eARC |
| XLR出力 | 16系統(フルバランス) |
| S/N比 | 127dB |
| THD+N | -118dB(0.0001%) |
| USB入力 | あり |
| Bluetooth | LDAC / aptX HD対応 |
| アナログ入力 | RCA / XLR |
| S/PDIF入力 | 同軸 / 光×4系統 |
| ディスプレイ | 1080p カラーOLED |
サラウンドフォーマット対応
以下のサラウンドフォーマットに対応:
- Dolby Atmos: オブジェクトベースオーディオ
- Dolby TrueHD: ロスレスオーディオコーデック
- DTS:X: オブジェクトベースオーディオ
- DTS HD Master Audio: ロスレスオーディオコーデック
- Dolby Atmos Height Virtualisation: 天井スピーカーなしでの高さ再現
- Dolby Atmos Music: 音楽向けAtmos
Dirac Live標準付属
Tide16の大きな特徴が、Dirac Liveのフルライセンスが標準で付属する点である。以下の3つのライセンスがすべて含まれる:
Dirac Live Room Correction (RC)
測定に基づいて周波数特性を補正し、部屋の音響問題を解決する基本機能。
Dirac Live Bass Control (BC)
複数のサブウーファーとメインスピーカーの低域を統合的に最適化。サブウーファーの配置による干渉や定在波の問題を軽減する。
Dirac Live ART (Active Room Treatment)
アクティブなルーム処理により、物理的な音響処理材では対応が難しい低域の問題にもアプローチ。より精密な音場補正を実現する。
通常、これらのライセンスを個別に購入すると数百ドルのコストがかかるが、Tide16では本体価格に含まれている。
DSP機能
マトリクスミキサー
入力ソースを任意の出力チャンネルにルーティング可能。複雑なスピーカー構成やカスタムシステムに対応する。
アドバンスドバスマネジメント
クロスオーバー設定、サブウーファー統合、チャンネル別ディレイ/ゲイン調整など、きめ細かな低域管理が可能。
パラメトリックEQ
各チャンネルにパラメトリックイコライザーを搭載し、詳細な周波数調整に対応。
オーディオファイルグレードのアナログ回路
miniDSPは「オーディオファイルグレードのアナログ回路」を強調しており、SNR 127dB、THD+N -118dB(0.0001%)という優れた測定値を公表。ホームシアター用途だけでなく、2チャンネルのピュアオーディオシステムにも対応できる品質を目指している。
設置性
リムーバブルラックイヤーを装備し、19インチラックへのマウントまたは棚への設置の両方に対応。カラーOLEDディスプレイにより、接続状態や動作モードを視覚的に確認できる。
想定用途
- ホームシアター: Dolby Atmos/DTS:X対応の大規模マルチチャンネルシステム
- スタジオ: マルチチャンネルモニタリング環境
- ピュアオーディオ: ステレオシステムへのDirac Live導入
価格・発売時期
- 価格: $3,500(米国)
- 発売: 2026年1月より発売開始
他地域の価格は後日発表予定。