スコットランドのハイエンドオーディオメーカーLinnは、同社の象徴的なターンテーブル「Sondek LP12」の最高峰モデル「Klimax LP12」向けに、2つの重要なアップグレードを発表しました。新世代のモーターコントロール兼パワーサプライユニット「Klimax Radikal」と、新しいサブシャーシ「Keel SE」です。
新電源ユニット「Klimax Radikal」
新しいKlimax Radikalは、Linnが近年開発を進めてきたパワーサプライ技術「Utopik」を搭載しています。これにより、モーター駆動用とフォノステージ(内蔵する場合)用に、それぞれ独立し、高度に絶縁された電圧レールを供給することが可能になりました。これにより、電源の安定性が飛躍的に向上し、より正確な回転精度とノイズフロアの低減を実現します。
筐体も刷新され、3つのソリッドアルミニウムセクションから削り出された堅牢な構造を採用。高質量のステンレススチール製フットと組み合わせることで、電気的・機械的なアイソレーションを徹底しています。
新サブシャーシ「Keel SE」
「Keel SE」は、2006年に登場したオリジナルのKeelサブシャーシをさらに進化させたものです。Linnは有限要素解析(FEA)を駆使し、構造を最適化。従来モデルと比較して約300%の剛性向上を果たしながら、質量バランスの改善と慣性の低減を実現したとしています。
これにより、不要な振動を徹底的に排除し、レコード盤からより多くの情報を正確に読み取るための、静かで安定したプラットフォームを提供します。
価格と発売時期
- Klimax Radikal: £11,500 / $16,820 / €13,680
- Keel SE: £4,250 / $6,215 / €5,060
両製品ともに2025年10月末の出荷が予定されています。
1973年の登場以来、絶え間ないアップグレードによって第一線の性能を維持し続けてきたLP12。今回のアップグレードは、Klimax LP12のオーナーにとって、自身のシステムを最新かつ最高の状態に引き上げるための、またとない機会となるでしょう。
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