ティアック株式会社は、コンパクトな筐体で本格的なHi-Fiサウンドを実現する「Reference 500」シリーズの新たなラインナップとして、ネットワーク・ストリーミング・トランスポート「NT-507T」を発表しました。価格は2,499ドルです。
高音質DACを活かすための「トランスポート」
NT-507Tは、すでにお気に入りの高性能なUSB-DACを所有しているユーザーをターゲットにした製品です。あえて内蔵DACやタッチスクリーンを省略することで、内部干渉によるノイズの発生源を排除。ネットワーク上の音楽ソースとUSB-DACとの間に立ち、可能な限りクリーンで正確なデジタル信号を送り出すことに特化しています。
ノイズ対策を徹底した電源部と筐体設計
音質の要となる電源部には、各セクションに独立して電力を供給する4つの巻線を持つ大型トロイダルトランスを採用。ノイズの多いスイッチング電源ではなく、ディスクリート構成のDCレギュレーターを使用し、クリーンな電源供給を実現しています。
筐体には、振動を抑制するセミフローティング構造の2.8mm厚アルミニウム製トップパネルや、音の明瞭度を高める独自のアイソレーションフットを採用するなど、徹底した振動対策が施されています。
多彩なネットワーク機能と接続性
- ネットワーク入力: 標準的なRJ45イーサネット端子に加え、光ファイバーによるガルバニック・アイソレーションを可能にするSFP光入力端子を装備。
- ワイヤレス: Wi-Fi 6に対応。
- USB出力: 最大でPCM 768kHz/32bit、DSD 22.5MHzの出力に対応。
- USBストレージ対応: 2系統のUSBポートを備え、USBメモリや外付けHDD/SSDを接続してミュージックサーバーとして機能させることも可能です。
- ストリーミング対応: Roon Readyに準拠するほか、TIDAL Connect、Spotify Connect、Qobuzなど、主要なストリーミングプラットフォームに対応しています。
NT-507Tは、利便性よりもシステムコンポーネントの分離とクリーンな信号経路を優先するオーディオファイルにとって、注目の選択肢となるでしょう。