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Holo Audio MAY DAC レビュー:測定値と音楽性の「矛盾」を克服したR2Rの新星

Holo Audio MAY DAC レビュー:測定値と音楽性の「矛盾」を克服したR2Rの新星

2025/11/26 公開
Holo Audio
MAY DAC

オーディオファイルの世界には、長らく解決されない「冷戦」が存在する。それは「測定値至上主義(Objectivist)」と「聴感至上主義(Subjectivist)」の対立だ。前者はSINAD(Signal-to-Noise and Distortion)の数値を神と崇め、後者は「魂」や「音楽性」という数値化できない何かを追い求める。通常、この二つの陣営が交わることはない。特に、抵抗ラダー型(R2R)DACというカテゴリにおいては、その分断は顕著であった。

R2R DACは、その構造上、滑らかで有機的なサウンド(聴感派の好物)を持つ反面、測定値(THD+Nや直線性)では最新のデルタシグマ型チップに劣るのが常識だった。しかし、その常識をあざ笑うかのように現れたのが、Holo Audio MAY DACである。

このDACは異常だ。ディスクリートR2Rでありながら、多くのデルタシグマDACを凌駕する測定値を叩き出し 1、同時に「アナログライク」な音楽的快楽を提供する。開発者Jeff Zhu(ジェフ・ジュー)は、オーディオ界のユニコーンを作り上げてしまったのかもしれない。本稿では、最上位モデルであるLevel 3 KTE (Kitsune Tuned Edition) を中心に、このDACの正体を徹底的に解剖する。

Holo Audio MAY DAC — Overview

Holo Audioは中国のハイエンドオーディオブランドであり、Kitsune HiFi(米国)との密接なパートナーシップの下で世界展開している 3。MAYは同社のフラッグシップモデルであり、開発に3年以上の歳月と莫大なR&Dが費やされた 1。Jeff Zhuというエンジニアが、既存の「Spring」シリーズで培った技術を極限まで推し進め、コストを度外視して作り上げたのがこのMAYである。その名の通り、春(Spring)の次に訪れる、より成熟し満開となる季節を象徴している。

基本情報

  • メーカー: Holo Audio (中国)
  • 製品名: MAY DAC (Level 3 KTE - Kitsune Tuned Edition)
  • 設計者: Jeff Zhu
  • 国内実勢価格: 約85万円 - 100万円前後 (為替変動・オプションにより変動 / 米国価格 $5,598 - $6,128 1)
  • 発売時期: 2020年 (継続的なマイナーアップデートあり)
Holo Audio MAY DAC デュアルシャーシ構成のフロントビュー。上段がDAC部、下段が電源部で、銅製フィート付きの重厚な筐体

スペック

  • DACアーキテクチャ: デュアルモノ・ディスクリートR2R (リニアリティ補正機能付き)
  • 対応フォーマット: PCM 1.536MHz / DSD1024 (Native)
  • 周波数特性: 20Hz - 20kHz (+/- 0.1dB)
  • THD+N: 0.00017% @ 1kHz (-115dB) ※R2Rとしては驚異的、測定限界に近い
  • ダイナミックレンジ (DNR): >130dB
  • 出力電圧: XLR: 5.8Vrms / RCA: 2.9Vrms
  • 出力インピーダンス: XLR: 54Ω / RCA: 27Ω
  • 重量: 18kg (デュアルシャーシ合計)
  • 入力: USB (Titanis 2.0回路), I2S (HDMI形状 x2), AES/EBU, Coaxial (RCA/BNC), Optical
Holo Audio MAY DAC リアパネル。豊富なデジタル入力端子(USB、I2S x2、AES/EBU、Coaxial、Optical)とバランス/アンバランス出力を装備

MAY DACの最大の特徴は、電源部とDAC部を完全に分離したデュアルシャーシ構造にある 8。18kgというパワーアンプ並みの質量は、ただの飾りではない。筐体内部には、Jeff Zhuの執念とも言えるカスタムパーツが詰め込まれており、特にKTE版(Kitsune Tuned Edition)は、ハンドセレクトされたDACモジュール、銀線配線、特注コンデンサ、そして「狐」のエンブレムが刻印されたシールドで武装されている 1。これは単なるオーディオ機器ではない。デジタルオーディオの到達点を示そうとする、一つの「宣言」である。

1. レビューまとめ

世界中の主要メディア、辛口レビュアー、そしてフォーラムの住人たちが、このDACに対してどのような判決を下したのか。まずはその総意を確認する。特筆すべきは、通常は相反する評価軸を持つ「測定派」と「聴感派」の双方が、このDACに対しては最大級の賛辞を送っている点である。

メディア / レビュアー引用抜粋 (和訳+原文)評価 (★1-5)
Stereophile (Herb Reichert)「MAY DACは、録音された音楽を無限で美しいものに感じさせる。それは私のこれまでの『自然な静寂』の基準を超えた。」 (“The May’s true-to-life demeanor made recorded music seem infinite and beautiful.”)★★★★★ (Class A+)
GoldenSound (YouTube)「私がこれまでに聴いた中で最高のDACだ。主観的にも客観的にも、そのパフォーマンスは目を見張るものがある。」 (“The Holo Audio May is the best DAC I have heard so far…”)★★★★★
Audio Science Review (Amir)「R2Rでこれほどの測定結果を見たことがない。ジッター耐性は完璧に近い。推奨せざるを得ない。」 (“Probably the best-measuring R2R DAC I’ve seen.”)★★★★★ (Recommended)
Steve Huff Photo「2024年になっても、このDACは依然としてエンドゲームだ。アナログのような温かみと、驚異的な静寂性を兼ね備えている。」 (“Does this DAC hold up near the end of 2024… Yes.”)★★★★★
Head-Fi User (Comparisons)「Terminatorと比較して、Mayはより真のNOS(ノンオーバーサンプリング)であり、圧倒的に素晴らしい。デジタル臭さが皆無だ。」 (“The May is and is absolutely stunning.”)★★★★☆

コンセンサスは驚異的だ。肯定的な意見の9割は、「圧倒的な静寂性(Black Background)」と「ホログラフィックな音場(Soundstage)」に集中している 4。ASRのような測定重視のフォーラムでさえ、そのジッター除去性能とリニアリティの高さに脱帽しており、R2Rに対する偏見(歪みが多い、ノイジーである)を完全に覆している 2。 一方で、あえてネガティブな側面を探るとすれば、それは「あまりにもスムーズすぎて、攻撃的なインパクトに欠ける」という点や、「真空管DACのような積極的な色付け(倍音付与)を求めて他社製品(Aries CeratやLampizator等)に移行する」ケースが見受けられることだ 14。つまり、MAYの「欠点」として挙げられる要素は、性能不足ではなく、「個性の欠如」や「中立性への過度な傾倒」といった好みの問題に集約されている。これは、製品としての完成度が高いレベルに達していることの裏返しでもある。

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2. 技術的特徴

なぜMAY DACはこれほどまでに特別なのか?その秘密はJeff Zhuが設計した独自のアーキテクチャにある。既存のR2R DACが抱えていた構造的欠陥を、力技と数学的アプローチの両面から解決している点が興味深い。

2.1. デュアル・ディスクリートR2Rラダーとリニアリティ補正

通常のR2R DACは、抵抗の精度(誤差)がそのまま歪み率に直結するという宿命を持つ。高価なレーザートリミング抵抗を使っても、経年劣化や温度変化で精度は狂い、それが微小信号の再現性を損なう「グリッチ」や「非直線性」として現れる。

Holo Audio MAY DAC 内部基板のクローズアップ。ディスクリートR2Rラダー回路、FPGA、高精度クロック回路が実装されている

Holo Audioの解決策は、「リニアリティ補正ネットワーク」の搭載だ 6。メインのR2Rラダーに加え、その誤差を補正するための補助ラダーが存在する。FPGAが常に抵抗値を監視し、数学的な補正を行うことで、ディスクリートR2RでありながらTHD+N 0.00017% (-115dB) という、最新鋭のデルタシグマ型チップ(ESS9038Pro等)に匹敵、あるいは凌駕するリニアリティを実現している。これは「R2Rは測定値が悪い」という物理法則への挑戦状であり、測定不能な領域まで歪みを抑え込むことに成功している。

2.2. 強力なPLLとジッター撲滅 (Femto Clock & Titanis 2.0)

デジタルオーディオの大敵はジッター(時間軸の揺らぎ)である。MAYは独自のPLL(Phase Locked Loop)回路と高性能なフェムト秒クロック(Femto Clock)を搭載している 6

特筆すべきは、入力信号のクロック品質に依存しないことだ。GoldenSoundの測定によれば、意図的に強烈なジッターを付加した信号を入力しても、MAYの出力には一切の影響が見られなかった 2。これは、USB入力部に搭載されたTitanis 2.0回路と強力なFPGA処理によるものだ 1。安価なストリーマーやPCを繋いでも、MAYが内部で完璧にリクロックし、純粋な信号を生成する。これにより、「トランスポートによる音質差」を極限まで小さくしている。外部DDC(Digital-to-Digital Converter)が不要と言われる所以である。

2.3. デュアルモノ・デュアルシャーシ電源 (PSU)

本体下部に鎮座する重厚な箱は、DAC専用の電源ユニットだ。DAC部と電源部を物理的に分離することで、トランスの振動や漏洩磁束が繊細なアナログ回路に影響を与えるのを防いでいる。

Holo Audio MAY DAC 電源部の内部構造。デュアルモノ構成のフラットワイヤーO型トランスと高品質なレギュレーション回路が見える
  • KTE版の特権: KTEモデルでは、通常のトロイダルトランスではなく、フラットワイヤー(平角線)を使用したO型トランスが採用されている 1。O型トランスはトロイダルに比べて漏洩磁束が少なく、さらにフラットワイヤーにすることで巻線密度を高め、レギュレーション性能を向上させている。左右チャンネル独立のトランスによる電源供給により、クロストークを物理的に排除。これが、あの「深海のような静寂」を生み出す源泉となっている。

2.4. KTE (Kitsune Tuned Edition) の独自装備とスペック比較

「Level 2とKTEで何が違うのか?」という疑問は多い。KTEには以下の「オカルト」ギリギリの、しかし確実に効くチューニングが施されている 1

特徴Level 1 / Level 2Level 3 (KTE)技術的・音響的効果
DACモジュール選別標準ハンドセレクト (Hand Selected)製造されたモジュールの中から、最も特性の良いものを選別。ダイナミックレンジの向上に寄与。
内部配線銅線1.5mm 純銀線 (OCC Silver)導電率の高い銀線を使用することで、信号伝送のロスを極小化し、高域の伸びと解像度を向上。
コンデンサVishay製 標準Holo Audio KTE特注コンデンサVishayのキャップをJeff Zhuがチューニングした特注品に換装。「中毒性のあるボイシング」を実現すると謳われる 1
トランス銅線トロイダルフラットワイヤー O型トランス電源効率とノイズ耐性の向上。低域の制動力と背景の静けさに直結。
USBモジュールXMOS XU208Titanis 2.0 強化モジュールUSB入力時のジッター低減とノイズアイソレーションの強化。PCオーディオでの音質向上。
ヒューズShurter GoldRed Nano Fuseグラフェンや貴金属を使用したオーディオグレードヒューズ。電源供給の純度を高める。

3. 測定データに基づく客観的考察 (Measurements)

ここでは、Audio Science Review (ASR) および GoldenSound (YouTube/Blog) による第三者測定データを分析する。これらのデータは、MAYが単なる「雰囲気重視」の製品ではないことを証明している。

周波数特性

MAYはNOS(Non-OverSampling)モードを基本とするが、PCM/DSDのオーバーサンプリングモードも備えている。

  • NOSモード: 典型的なR2Rの挙動として、可聴帯域高域(20kHz付近)でわずかなロールオフ(減衰)が見られる 18。しかし、これは-3dB程度の緩やかなものであり、フィルターレス特有の自然な減衰である。これが聴感上の「デジタル臭さのなさ」「滑らかさ」に寄与している。
  • リニアリティ: -120dB以下の微小信号レベルまで完全に直線性を保っている 2。これは、微細なリバーブの減衰音やホールの残響音が、デジタルのノイズフロアに埋もれずに再生されることを意味する。多くのR2R DACが-90dB付近で直線性を失う中、MAYの挙動は異次元である。

ジッター特性 (The “J-Test”)

ASRのAmir氏が「Almost immune to Jitter (ジッターに対してほぼ免疫がある)」と評した通り、USB、Coaxial、Toslinkいずれの入力においても、ジッター由来のサイドバンドノイズが見当たらない 2

  • Correlate (相関): このデータは、MAY DACを使用する場合、高価なDDC(Digital-to-Digital Converter)やリクロッカーを追加する必要性は低いことを示唆している。DAC内部のPLLとFIFOバッファ処理が強力すぎて、外部機器による改善効果を上書きしてしまうからだ。ユーザーはストリーマーの選定において、音質よりも機能性を優先することができるようになる。

歪率特性

1kHzの正弦波再生時のSINAD(信号対雑音歪み比)は約115dB-118dB前後を記録している 5。ディスクリートR2Rでこの数値は異常である(競合のDenafrips Terminator等は通常100-110dB程度、Audio-gdなどはさらに低い)。

  • Correlate (相関): この高いSINADは、背景の静けさと、大音量時の楽器の分離感(混濁のなさ)として聴感に現れる。音が団子にならず、一つ一つの音がクリアな輪郭を持って浮かび上がるのは、この低い歪み率の恩恵である。

4. リスニング・インプレッション

測定値の素晴らしさは理解した。では、実際に音楽を流したとき、我々は何を体験するのか?「理詰め」で作られたこのDACは、果たして音楽の「魂」を宿しているのだろうか。

レビュアー / 媒体引用抜粋 (意訳)
Stereophile「録音が『事実』として提示される。加工された感じが一切ない。まるでこれが本来の音であるかのように。」
GoldenSound「ホログラフィックな音場表現において、これに勝るものはない。スピーカーが消え、音楽だけが残る。」
Steve Huff「デジタル特有のエッジやグレア(ギラつき)を排除しようとする狂人たちにとって、これはゴールだ。」
Head-Fi User「Terminatorと比較しても、MayのNOSモードは本当の意味でアナログに近い。」

Bass (低域): R2R DACは伝統的に低域の質感に優れるとされるが、MAYの低域は「厚み」だけでなく「解像度」を伴っている。バスドラムのキックは、単なる「ドスン」という音圧ではなく、ビーターがヘッドに当たる瞬間の皮のたわみまで見えるような視覚的な低音だ。Denafrips Terminatorのような「筋肉質で押し出しの強い」低域と比較すると、MAYは 「深く、制動が効いており、滲みがない」 8。床を這うようなサブベースの階調表現において、右に出るものはいない。岩盤のように安定した土台が、音楽全体の構築を支えている。

Mids (中域): ボーカル帯域こそ、MAYが「魔法」を使う場所だ。測定値が良いDACにありがちな「乾燥した」「無機質な」質感は皆無である。声には血が通っており、喉の湿り気や、歌手が息継ぎをする際の微細なニュアンスが生々しく浮かび上がる。これを「Warm(温かい)」と表現するレビュアーもいるが、真空管のような付帯音による温かさではない。 「デジタル的な粗さが完全に除去された結果、本来の音色が露わになった温かさ」 である 4。非常に滑らかで、液体のような(Liquid)フローを感じさせる。 Treble (高域):

NOSモード特有の、突き刺さることのない高域。シンバルのクラッシュ音やヴァイオリンの倍音は、空中に霧散していくように自然に減衰して消える。いわゆる「デジタルのグレア(ギラつき)」が物理的に削ぎ落とされたかのような感覚だ。Chord DAVEのようなFPGAベースのDACが「カミソリのように鋭く、超高解像度」な高域を描くのに対し、MAYは 「自然光の下で見る風景」 のように、解像度は高いが決して目に(耳に)痛くない 21

Soundstage & Imaging (音場と定位): 製品名が示す通り、Holo(Holographic)な音場が最大の特徴であり、最大の武器だ。音像はスピーカーの結ぶ線の後ろ側に深く展開し、奥行き(Depth)の深さは驚異的だ。楽器と楽器の間には完全な「黒い空間」が存在し、それぞれの音が混ざり合うことなく空中に浮遊する。左右の広がりも十分だが、特筆すべきはやはり前後方向のレイヤー感である 11。オーケストラを聴けば、第1ヴァイオリンとその後ろの管楽器の距離感が、手にとるようにわかるだろう。まるで演奏会場の空気がそのまま部屋に持ち込まれたかのような錯覚を覚える。

5. 評価

ここでは、Holo Audio MAY (KTE) を5つの軸で採点し、その理由を詳述する。

評価軸採点 (5.0満点)詳細解説
技術性能5.0現代R2Rの一つの到達点。ジッター耐性、リニアリティ補正、熱対策など、工学的に隙がない。測定値マニアも納得の完璧さ。
音楽的魅力4.5「自然さ」を極めた音。ただし、派手な演出や「エモい」色付けを求める人には、少々「真面目すぎる」と感じられる可能性がある。
ビルドクオリティ4.9総アルミ削り出しの筐体、銅製のサイドパネル、整然とした内部基板。所有欲を満たす重厚感。リモコンの質感も高い 6
コスパ (Price/Value)4.5約85-100万円は絶対的には高価だが、$10,000クラス以上のハイエンド機と互角に渡り合う性能を考えれば、バーゲンセールと言える 4
将来性/整備性4.0FPGAのファームウェアアップデートが可能。ただし、中国メーカーであるため、故障時のサポート(代理店経由の輸送等)には時間とコストがかかるリスクがある。

Bias Check: 欠点を挙げるとすれば、その「サイズと発熱」だ。デュアルシャーシはラックの場所を食うし、クラスA動作のためかなり熱くなる 12。また、NOSモードでの再生は音源の質を露骨に反映するため、録音の悪いポップスなどは「悪いまま」再生される容赦なさがある。良くも悪くも、ソースに忠実すぎる点は、リスナーを選ぶかもしれない。

6. 俯瞰的視点による分析

MAY DACは市場のどこに位置し、誰と戦っているのか?この価格帯は「ハイエンドの入り口」であり、群雄割拠のレッドオーシャンである。

The Rivalry: 3大競合との直接比較

1. vs Chord DAVE (約200-250万円)

これは「科学 vs 自然」の戦いだ。

  • Chord DAVE: トランジェント(過渡特性)の鬼。音の立ち上がりが恐ろしく速く、微細なディテールを顕微鏡で覗くような解像度がある。音はリスナーに向かって飛び出してくる(Forward)。
  • Holo MAY: タイムドメイン(時間軸)の自然さを重視。立ち上がりはDAVEより穏やかだが、音の減衰(Decay)と余韻の美しさで勝る。音場は奥に広がる(Laid-back)。
  • 結論: 分析的に聴きたいならDAVE。音楽に浸り、リラックスしたいならMAY。価格差(DAVEはMAYの2-3倍)を考えると、MAYのコストパフォーマンスの高さが際立つ 21

2. vs Denafrips Terminator Plus / II (約80-100万円)

同じ中国発のハイエンドR2Rであり、最大のライバル。

  • Terminator: 「マクロダイナミクス」の王者。低域のパンチ力、音の厚み、エネルギー感において勝る。ロックやジャズの熱気を感じさせる「動」の音。
  • Holo MAY: 「マイクロダイナミクス」の達人。静寂性、透明感、繊細なニュアンスの表現で勝る。Terminatorよりわずかに「洗練された」「静」の音がする。
  • 結論: パワフルさを求めるならTerminator。透明度と測定性能を求めるならMAY 12

3. vs Rockna Wavedream Signature (約150-200万円)

ルーマニアのR2R貴族。

  • Rockna: 独特の「艶」と「色気」がある。R2R特有の有機的な質感がさらに濃く、ボーカルや弦楽器に魔法のようなリアリティ(ある種の演出)を加える。
  • Holo MAY: Rocknaに比べると「無色透明」。色付けが少なく、ソースに対してより忠実。Rocknaが「美しい絵画」なら、MAYは「磨き上げられた窓」だ。
  • 結論: ロマンを求めるならRockna。忠実性を求めるならMAY 20

なぜユーザーはMAYを手放すのか? (Why sell?)

調査の結果、MAYを手放すユーザーの多くは「性能への不満」があるわけではないことが判明した 4。 彼らは「もっと味が欲しい」のだ。彼らは「面白み」を求めて、LampizatorやAries Ceratといった真空管DACや、 より音楽的完成度の高い高額なMSB Technologyへと移行するケースが多い。

7. 結論 & 推奨ユーザー

Holo Audio MAY DAC (KTE) は、デジタルオーディオの歴史における一つの特異点だ。 かつて「測定値の良いDACはつまらない」「R2Rは音が良いが測定値は悪い」と言われていたが、MAYはその両方を過去のものにした。ジェフ・ジューは、R2Rの魂を持ちながら、科学的にも完璧なサイボーグを作り上げたのだ。 もしあなたが、デジタル音源を再生していることを忘れ、ただ音楽の海に溺れたいと願うなら、そしてそのために100万円近い投資と、熱くて重い二つの箱を受け入れる覚悟があるなら、MAYは間違いなく「アガリ(Endgame)」のDACとなるだろう。

  • 購入を推奨する人:
    • デジタル特有の「グレア(刺激音)」に疲れており、アナログレコードのような滑らかさを求めている。
    • しかし、解像度や静寂性(S/N比)には一切妥協したくない。
    • 測定値という裏付けがないと、高額なオーディオ機器を買うのに不安を感じる。
  • 購入すべきでない人:
    • 真空管のような、濃厚でリッチな音を求めている。
    • 音が前に飛び出してくるような、攻撃的でエネルギッシュなサウンド(Chord系)が好み。
    • ラックのスペースに余裕がない、または発熱を嫌う。

総合評価: ★★★★☆ (4.5/5.0)

R2R DACの新たな基準

引用文献

1. HoloAudio – May DAC (US) - Kitsune Hifi, https://kitsunehifi.com/products/holoaudio-may-dac-us 2. Review and Measurements of Holo Audio May --- Probably the best discrete R2R DAC, https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/review-and-measurements-of-holo-audio-may-probably-the-best-discrete-r2r-dac.10161/ 3. About Us - Kitsune Hifi, https://kitsunehifi.com/pages/about-us 4. Holo Audio May KTE DAC Review Vs Denafrips Terminator DAC - Audio Resurgence, https://www.audioresurgence.com/2023/09/holo-audio-may-kte-dac-review.html 5. Holo Audio MAY DAC KTE – Kitsune Edition (R2R – DSD1024) | Magna Hifi, https://www.magnahifi.com/shop/holo-may-kte-22 6. Holo Audio MAY DAC KTE version - audioleman homepage, https://audioleman.ch/product/holo-audio-may-dac/ 7. Holo Audio May, https://eliseaudio.com/en-us/products/holo-audio-may 8. Holo May KTE Edition HiFi DAC. Did it blow me away in 2024? | - Steve Huff, https://www.stevehuffphoto.com/2024/10/27/holo-may-kte-edition-hifi-dac-did-it-blow-me-away-in-2024/ 9. Review Holo Audio MAY KTE by Stereophile - Magna Hifi, https://www.magnahifi.com/blog/reviews-4/review-holo-audio-may-kte-by-stereophile-248 10. Holo Audio May Review - Part 1 - Going the extra mile - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=Wa3sOSRa-U0 11. Holo Audio May Review - Part 2 - Wow… - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=mHcfgQtlnP8 12. Between DENAFRIPS TERMINATOR-PLUS And Holo Audio - May DAC - KTE Edition, https://community.roonlabs.com/t/between-denafrips-terminator-plus-and-holo-audio-may-dac-kte-edition/126404?page=3 13. ROCKNA Wavedream Reference Signature DAC – A Digital Audio REVELATION (Review By SoundNews), https://chameleon-audio.com/rockna-wavedream-reference-signature-dac-review-by-soundnews/ 14. What to change Holo audio may kte - What’s Best Forum, https://www.whatsbestforum.com/threads/what-to-change-holo-audio-may-kte.41146/ 15. High end DAC upgrade - I need advice! - The HEADPHONE Community, https://forum.headphones.com/t/high-end-dac-upgrade/20057 16. Kitsune Holo Audio KTE May DAC by David Abramson - Stereo Times, https://www.stereotimes.com/post/kitsune-holo-audio-kte-may-dac-by-david-abramson/ 17. Holo Audio MAY DAC Level 3 KTE User Manual, https://manuals.plus/asin/B089G6J2BG 18. HoloAudio May (Level 3) D/A processor Measurements - Stereophile.com, https://www.stereophile.com/content/holoaudio-may-level-3-da-processor-measurements 19. Gramophone Dreams #39: HoloAudio May D/A processor & Intona USB isolator Page 2, https://www.stereophile.com/content/gramophone-dreams-39-holoaudio-may-da-processor-intona-usb-isolator-page-2 20. Rockna DAC - Wavedream reference signature impressions and discussions - StereoNET, https://www.stereonet.com/forums/topic/626819-rockna-dac-wavedream-reference-signature-impressions-and-discussions/ 21. Beyond Chord TT2/mScaler - Amplifiers - The HEADPHONE Community, https://forum.headphones.com/t/beyond-chord-tt2-mscaler/20828 22. Denafrips Terminator Plus Vs Holo Audio May KTE - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=RA25soROau4 23. DAVE v MAY, only one will survive - Chord - Roon Labs Community, https://community.roonlabs.com/t/dave-v-may-only-one-will-survive/171297 24. Overhyped & just too expensive? HOLOAUDIO MAY KTE R2R DAC REVIEW - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=Fg5dt5h0ktg 25. MSB Premier vs Holo Audio May KTE - What’s Best Forum, https://www.whatsbestforum.com/threads/msb-premier-vs-holo-audio-may-kte.36979/

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